ター滝のサステナブルな取り組み

Ta-taki's Sustainable Initiatives

地域の宝、"ゆかる水ぬ源" を未来へ

やんばるの森の中にある「ター滝駐車場」

やんばるの森の中にある「ター滝駐車場」では、さまざまな取り組みが行われています

ター滝は、単なる自然観光地ではありません。ター滝のある平南川(へなんがわ)の流域には、大宜味村の暮らしを支える大切な水源地があり、亜熱帯の森の中には、土地の神様への祈りを捧げる拝所(うがんじゅ)も点在しています。豊かな水をたたえる川や滝は、地域の生活や仕事を支え、祭事を通して人々の心を結ぶ "ゆかる"(沖縄の方言で「よき日」や「慶日」を表す)場所でもあるのです。 流域の豊かさを未来につないでいくために、ター滝駐車場内にある「フィールドセンター」で行われている取り組みをご紹介します。

ター滝の変遷と、あるべき姿

今でこそ自然観光スポットとして人気のター滝ですが、1970年代頃まで平南川流域の水場は地域の子どもたちにとっての「遊びの場」で、飛び込みや魚取りなどを楽しむ場所でした。周辺の森で林業が行われていた時代もあり、上流で倒した木材を運ぶ時にはター滝の上から丸太を落として川を流していたそうです。1980年代に新聞で取り上げられたことをきっかけにター滝の存在が沖縄県内で広く認知されるようになり、エコツーリズムが注目された2001年以降に観光利用が急増、2016年には駐車場が完備され現在に至っています。
時代の流れの中で、子どもたちが自然の中で遊ぶ機会は急速に減っていきました。大宜味村の子どもたちも例外ではなく、日常的に川や海で遊ぶ姿はすでに見られなくなっています。

ター滝のある大宜味村津波集落で行われている「豊年祭」
ター滝のある大宜味村津波集落で行われている「豊年祭」

ター滝のある大宜味村津波集落で行われている「豊年祭」。
舞台幕には地域の滝が描かれています

ター滝を支える地元出身のパークキーパー

日々、国内外からさまざまな層の人たちが訪れるター滝。入り口にある駐車場(レクチャールーム)では、大宜味村出身のパークキーパーたちが働いていますが、アルバイトの高校生から最年長は70代まで、多様な世代で構成されていることが特徴です。ター滝での自然体験をできるだけ安全に楽しんでいただけるように、入り口での他言語での案内や、天気状況の確認、レンタル品の拡充、避難道の整備など、現場の声を細やかに聞き取りながら、キーパー一人ひとりが知恵を絞って改善を重ねています。

パークキーパーが受付を担当している様子

子どもの頃に平南川流域で遊んでいたという70代のパークキーパーが受付を担当しています

ター滝流「ゼロ・ウェイスト」の実践

ター滝で行われている、環境負荷を最小限にするための実践をご紹介しましょう。その一つがフェルトシューズの修繕です。古くなったシューズを廃棄するのではなく、消耗した靴底を張り替え、穴などを繕うことで再利用しています。また、駐車場内に飲料などの自販機を置かず、飲み水は大宜味村の名水を量り売りするスタイルを採用しています。マイボトルや空のペットボトルを持参すれば、大宜味村の名水を必要な分だけ購入することができます。この取り組みによって環境負荷を減らすと同時に、名水の里である大宜味村の物語も伝えているのです。

フェルトシューズを修繕している様子

フェルトシューズを修繕して再利用する取り組みも、パークキーパーの意見で始まりました

マイボトルとウォーターサーバー

マイボトルがなくても大丈夫。何度も使えるボトルの販売や貸し出しもあります

地域と訪問者が共につくる未来

ター滝では、観光客も自然保全の一員になる「小さな行動」が静かに根づいています。滝へ向かう道程で見つけたゴミを拾って駐車場まで持ち帰ってくれた方へ、感謝の気持ちを込めて渡す「サンクスカード」はその象徴です。素晴らしいことに、多くの方がこの取り組みに自主的に参加してくれています。自然への敬意をもって遊ぶことは難しいことではありません。旅先での小さな行動が周囲への模範となり、美しい流域を保つための良い循環が生まれます。

サンクスカードを渡している様子

ゴミ拾いに協力してくれた方には、記念撮影したチェキ(サンクスカード)をお渡ししています

捨てるのではなく、再生する。買うのではなく、持参する。便利さよりも自然への敬意を選ぶーそんな価値観を共有する場所がター滝です。地域と訪れる人との協働が、「子どもたちが自然を体験的に学ぶ場」として、「人と自然の関係性を結び直す持続可能な水場」として、持続可能なター滝の未来をつくっていきます。

スタッフ