大宜味村エコツーリズムについて

大宜味村エコツーリズム推進全体構想

①大宜味村の自然環境と文化

沖縄島北部のやんばる(大宜味村、国頭村、東村)は、わが国で特筆すべき生物多様性豊かな地域と言われています。ヤンバルクイナなど生物学的に重要な種の生息・生育環境を保全して将来につなぐため、2016年には国立公園に指定され、今後は世界自然遺産登録とその後の保全が期待されております。

大宜味村はやんばる国立公園の南端に位置し、世界に誇る貴重な自然環境や文化を広く人々に紹介し、生物多様性保全とその理解を深める活動の拠点としては恰好な場所となっております。

自然環境の特徴としては、アルカリ性土壌(石灰岩地域)と酸性土壌という性質の異なる2つの土壌の地域が存在し、さらにそれらが混じり合う地域も存在することにあります。2つの地質の特性により地形は変化に富み、アルカリ性土壌、酸性土壌双方の植生が見られるなど生育する植物も多様です。ナガミボチョウジやクスノハカエデに代表される石灰岩林を中心とした植物群落と、酸性土壌を中心にイタジイやボチョウジに代表される植物群落があり、これを取り巻くシークヮーサー畑などの里山地域は中山とよばれ生活資材を確保する場所でしたが、それらが相まって生物多様性の高い自然環境となっており、ノグチゲラ、コノハチョウなどやんばるを代表する多くの生物が確認されています。

かつては建築資材や薪炭材の生産が盛んに行われ、現在ではシークヮーサーやイトバショウの栽培が見られるように、山地や海辺の自然環境を生活の基盤としてきた地域です。また、受け継がれた文化にも、身近な環境と村民の深いつながりを見ることができます。国指定重要無形文化財の「塩屋湾のウンガミ」などの地域行事には、一年を通じて海や森の恵みに感謝し、集落周辺の自然環境を聖域として礼拝する祭事が多く残されております。

②現状と課題

本村では高齢化や都市就労によって人口減少が進み、今日まで行われてきた地域行事や、シークヮーサー畑をはじめとした里山環境の維持に支障が生じています。それらは早急に対処の必要な課題として地域共通の認識であり、エコツーリズム推進はその解決策の一つとして期待されている。進行する人口減少は、人々の暮らしを困難にするばかりか、やんばるの生き物を支える里山の環境が失われることも意味し、多様性豊かな環境を保全する上でも大きな問題となっています。

国立公園の指定や、今後予定される世界自然遺産への登録により、自然環境や文化に魅力を感じて本村を訪れる観光客の大幅な増加が予想されています。そのため、これらの指定を機に、村民が一体となってエコツーリズムに取り組むことが出来れば、雇用が創出されて地域振興に貢献し、人口減少防止の一助になることも期待できると考えます。

現状では、エコツアーのプログラム、フィールド利用におけるルール等は未整備であり、案内にあたるガイドも少なく、来訪者受入れ体制は十分とはいえない状況です。 

このような背景から、本村らしいエコツーリズムを早期に構築する必要があり、その中でも特にガイド養成は最も急ぐべき課題となります。エコツーリズムによる経済効果が、地域の振興や環境保全と乖離することなく進むための“大宜味村エコツーリズム全体構想”を定め、これに沿った環境保全型観光振興を推進します。

リュウキュウハグロトンボ

沖縄本島に分布し、渓流などに生息するリュウキュウハグロトンボ

③取り組み

理念と基本方針

1)理念
大宜味村は世界に誇る豊かな自然環境を有し、その自然環境が村民の生活の基盤となって独特の文化が生まれている。それらの貴重な自然環境を楽しみ、地域の文化を体感する大宜味村らしいエコツーリズムを目指す。

2)基本方針

  • 地域の自然環境・文化資源の保全を進める。
    独自の自然環境や文化などの資源は、大宜味村のエコツーリズムにおいて根幹をなすものであり、ツーリズムの基本である。その価値を守り、エコツーリズムを発展させるため、豊かな自然環境と文化を育んできた里山を保全・活用する「持続的な観光振興」を行う。このため、大宜味村らしいエコツーリズムを構築し、関連する関係法令・規則を順守した適切な保全・管理を行う。
  • 地域資源を大切にし、次世代へと継承する人材を育成する。
    環境保全型の観光振興を将来にわたって推進するには、地域の未来を担う子供たちの育成が重要である。地元の自然環境や文化への関心を高め、様々な事業に参画することにより、次世代のリーダーとして育てることが必要である。そのために、地元小中高校の理解を得ながら環境教育を重点的に推進し、地域を大切に思い、誇りと希望を持つ人材の育成を図る。
  • 地域資源を大切にし、次世代へと継承する人材を育成する。
    環境保全型の観光振興を将来にわたって推進するには、地域の未来を担う子供たちの育成が重要である。地元の自然環境や文化への関心を高め、様々な事業に参画することにより、次世代のリーダーとして育てることが必要である。そのために、地元小中高校の理解を得ながら環境教育を重点的に推進し、地域を大切に思い、誇りと希望を持つ人材の育成を図る。
  • 地域の文化と自然環境を体感できるプログラムを提供する。
    大宜味村の集落では四季それぞれに花が咲き、チョウが飛び交い、小川ではエビ、里山では野鳥やホタルが見られる。このような豊かな自然環境地域であるため、各集落をフィールドとしながら、村民のガイドによって自然環境や文化を楽しく学ぶツアーを推進する。ツアー実施にあたっては、自然環境や文化に関する知識とともに、それらに接して得られる感動には特に重点を置く。
  • 大宜味村の理解者・支援者を得る。
    大宜味村におけるエコツーリズムでは、来訪者が地域の自然環境の素晴らしさを実感し、文化・歴史の魅力を楽しんでいただくことにより、本村の理解者・支援者となることを期待したい。
    それら支援者の理解・協力を得て、貴重な自然環境の保全が進み、保全された美しい自然環境は更なる来訪者を誘致する流れをつくる。地域の振興はそれらの結果から生ずると考える。

④全体構想とお問い合わせ先

  • 全体構想pdf
  • お問い合わせ先
    大宜味村役場企画観光課 0980-44-3007
    (大宜味村生物多様性センター運営協議会)